ネオ演説

 戸を開けるなり「これが答えだ」とモーフィアスが一言。戸の向こうにあるモノを見た途端眉が8の字になってしまうネオ。一体どんな大変なものを見たのか。
 あったのは権威の高い議会が開かれる議事堂だった。権威が高い事は、議場の大きさとアメリカのスプレッド・イーグルに似た変な鳥が床に描かれている事から推測できる。
ジャンジャンと不穏なBGMが鳴る。ここも大勢のスミスに占領されたのか?
 いや、そこにはまだスミスは居ない。しかし……議員全員が全員、同じ顔と姿のオッサンに見える。これじゃあ大勢のスミスそっくりだ。
 「有害なテレビゲーム」を取り締まりたくて頭が熱くなっている、保守的なテキサス男の顔をした議長閣下。先ほど見えた「皆同じ顔」はこの議長閣下の顔だった様だ。
 この議事堂にスミスが闖入し、議員を、議長閣下をスミス化していく。ネオとモーフィアスはキーメーカーに促され、演壇の上へ。

 マトリックスの物語はサイバーパンクの世界観を借用して描かれ、出来上がりは何処かテレビゲーム的になっている。裏方キャラの話が、撮りおろし映像を含んだ年齢制限付きゲームとして出た(Enter the Matrix)。有害ビデオゲームを取り締まりたくて仕方が無いこの議長閣下なら、ずばりマトリックスも取り締まりたいのではなかろうか。
 議長閣下のキャラクターは、マトリックスシリーズにかけられた外圧を示している…どうだろうか。

 演壇上には武器として使える丈夫な旗竿等があり、またキーメーカーはその辺にある扉を脱出口として使おうとしている。だから演壇に乗ったという事らしいが…。

 この戦いは3パートに分かれている。まず旗竿を手にしたネオが棒術で周囲のスミスを次々なぎ倒す。モーフィアスも棒で戦っている。
 次に、複数のスミスが何処からか持ってきた棒で武装して現れ、棒術でネオ達に襲い掛かる。
 真似するなー!!
 …と、プレイヤーの失笑を買いそうなものだが、それこそが狙いだとわたしは思う。弱々しくも、真に精神力強き者のする事を上辺ばかり真似てみるは、ただ怖いだけの者=大勢のスミス。

 最後のパート、キーメーカーは脱出口を開けたつもりが当てが外れ、行き止まりに出る。その代わり、そこから忽然とグレネードランチャーを取り出す。
 ネオはソレを貰い、ライフルで武装したスミスが陣取る議席をドッカンドッカンと爆破した後、キーメーカーが今度こそ開けた出口からモーフィアスと共に脱出する。

 奇妙な事に、どのパートでもネオは始め演壇の上にいる。まるでそこから演説でもするかのように。
 大勢のスミスをなぎ倒す事が彼の無言のメッセージか。

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