アーキテクトのゲーム

 クリア後に、落ち着いて各ステージに散らばる鞄を集め、シークレット要素を見られる様にしていった。
 シークレット要素の中の「ステージスタディ」で見られる没アイデアに、妙なものがある。
 「リローデッド」までのストーリー(百人スミスとネオも含む)を反映したピンボールゲーム盤で、その名も「バレットタイム」

 ゲーム盤の中にはデフォルメされたビル街やヘリ、アパートと大勢のスミスなど存在している。玉の出る所には「レッドピル」「パスオヴネオ(ネオへの道)」等と書かれている。ゲーム盤の上部にはリアルなマトリックス内のビル街が映ったモニターが付いている。
 何なんだこれは。まるで、アーキテクトの思惑を表している様だ。
 このゲーム盤にアーキテクトの思惑がかなり反映されているとすると、彼は100人スミスが出て来る所までは予想して「ネオにやる気を出させる為のシナリオ」に組み込んでいたのだろうか。逆に言えば、その後の事は想定していなかったのか

 アーキテクトの思惑に関する似た様な話はまだある。ゲームをつけてしばらく放って置くと、劇中の名場面がダダダダダーッと高速で表示されるが、全てアーキテクトが見ているテレビの画像だという体裁をとっている。そんな映像群だが、*既に既知のキャラゲー*である本作の宣伝映像なのに「レボリューションズ編の画像」はあまりにも(一瞬たりとも!!)使われていない。
 アーキテクトは、映画の第一印象通り、ネオがあの戸を開ける瞬間までに起きる大抵の事は想定内に入れていたのだろうか。スミスがあそこまで大暴れする所まではさすがに分からなかった、と言ったところか。

 それにしても、何故「ステージスタディ」すなわちステージの案、実際にプレイヤーが触って遊べるモノの案にこんなものが含まれているのだ。
 ここでわたしは、例の「不気味な空き」の事を少し思い出した。ステージ選択画面で、ネオ対スミスの空中戦ステージと真の最終決戦ステージとの間にあるあれだ。
 全くの憶測だが、此処で分岐が生きてくる筈だったのでは無かろうか。
 実際のゲーム中では、実に色々な分岐が有ったが、特に何に影響しているのか判らなかった。分岐らしきポイントは、「アンダーソン君が自力で社屋を出るか出ないか」「人助けの時に誰から助けたか」「ローグ・ウィッチを助ける事が出来たか」「テレビだらけステージで右へ行ったか左へ行ったか」「最終決戦の要所要所でどっちが勝ったか」等等。
 実は分岐次第でネオが、映画通りの流れを辿ってコンピューターに取り込まれ、次に目が醒めると新たなアーキテクトになり、あのゲーム盤で遊び始めるというバッドエンドが予定されていた?!(流石に憶測が過ぎたか)

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