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「マトリックス」三部作で世界を震撼させた(?)例の兄弟が、またしてもテロリストが出てくる映画を今度はシナリオ監修してお騒がせ。
どこかギクシャクしたこの映画「V フォー ヴェンデッタ」を、ワー○ー側はW兄弟の知名度、ネームバリューのみで売り切ろうとしているようだが。
しかし映画の中に、マトリックスファンから見て大変気になる箇所が。
ヒロイン「イヴィー」が大雨に打たれながら悟りを開くシーンなのだが、全体に第2次世界大戦の頃を思わせる地味な絵面の本作品中にあって当該シーンだけがどうも派手だ。
しかも、そのシーンは全体に緑色で、雨粒がハイスピードカメラで撮ったようにゆ〜〜〜っくり落ちてくる演出も入る。
その上イヴィーは「神様は雨の中に居る」とつぶやくのだが、その台詞は映画オリジナル。
「マトリックス」ファンなら、同作品作中における神的存在ネオとスミスが、このシーンと丁度同じような雨の中で戦ったのは覚えているであろう。
えーい、もうわたしの私見をはっきりと言ってしまおう、映画「V フォー ヴェンデッタ」は超遠回しな「マトリックス」三部作の続編かもしれない。まあW兄弟による「V フォー ヴェンデッタ」映画化計画そのものは先にあって、それが通らず先に「V フォー ヴェンデッタ」にインスパイアされた作品「マトリックス」が採用されたわけだが。 ■
「V フォー ヴェンデッタ」とは、アラン・ムーア原作の同名コミックを映画化した作品。
もともと原作はヒーローを描いたものではなく、込められたメッセージは「崇高な目的の為なら非道な行為も正当化されるのか?」、擬音なんか使わず成年向けに描かれた。そういうわけでか、各キャラクターは易々と感情移入できる様に描かれては居ない。
日本人には馴染み難いかもしれないが、世界のコミック史に残る作品とされているそうだ。浦沢直樹の某漫画がコミック「V フォー ヴェンデッタ」の影響を強く受けている…という説もある。
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上映期間、日本では4月22日から5月末頃まで。ほんの1月ほど。さらに映画そのものも難解で妙ちきりんな作品。まあ、単なる失敗作映画と考えるのが一般的だろう。
推奨年齢はPG−12と「マトリックス リローデッド」より低い。しかしあんな内容でよくPG−12で済むものだ。ゴーサインを出した人々からは、その程度の影響力しか持たない映画だと判断されたらしい。
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※注:この章「小ネタは?」の次の章「上映開始日の謎は?」からが面白いのですが、ネタバレを含みます。
パンフレットより。原作コミックの原作者アラン・ムーアはこの映画のクレジットに名前が出る事を拒否した。しかし作画の人は喜んでいたらしい。
eiga.com(http://www.eiga.com/buzz/060418/02.html)のインタビュー。オフィシャルサイトにも載っていたものだ。ヒューゴはVを完璧過ぎないダークで複雑な「本当のヒーロー」、ジョエル・シルバーは正しい事と間違った事の境界がぼやけていると評している。
ほかにeiga.comでは、ヒューゴはジョエル・シルバーやW兄弟に恩義を感じるかと聞かれ「うまい日本料理を食わせて貰える」「経済面で良くなった」などとぶっちゃけた事を言い、更に、キアヌ・リーブスの共演者だったこの彼は「自分の顔を売り物にする俳優は俳優ではなくセレブリティだ」と抜かし、もう絶好調。
思えばヒューゴは「マトリックス リローデッド」の時も、「もしスミスが勝ってしまったらどうなるのか、それは未だ言えないんだけどね」と完結編の核心に関わる事をさり気なく言い出すし…「マト」も「V」もヒューゴにとってつまらない仕事だからこんなテケトーな物言いになるのか、と思いきやそうでもなく、そもそも昔から要らん事言いらしく、なんでも若くギャラも少なかった時分インタビュー中に「今日はこの後お金を前借りしに行く」等と言った事が有ったとか…。
こういうふざけた事をポロポロ言う様でいて、肝心の時には賢い彼。つかみ所が無い。やっぱりVは適任だ。
映画を撮る際、アイデアの段階で「体格も性別も違ういろんな人にVを演じさせる」というものもあったそうだ。パンフレットより。それは没になったが…。
不確かな情報で恐縮だが、V役のヒューゴ・ウィービングは始めオファーが来た時他の映画の仕事があって断り、映画制作側は英国人俳優のジェームズ・ピュアフォイを使ったらしい。しかし彼は三週間ほど撮った後、仮面の男という割に合わないこの役を降りてしまい、そしてヒューゴが残りを演じたそうだ。奇しくもVは本当に、スタントマンを除いてさえも複数いる事になった。
(2011、ポートマンへの苦言を削除。「ブラック・スワン」での受賞おめでとうございます。)
原作者アラン・ムーアの故郷イギリスのトイレットペーパーは、今はどうか知らないが一昔前は吸水性が劣りぱりぱりしていたと聞く。「トイレと文化」(ステュアート・ヘンリ)を参考にされたい。本来の用法の他にちぎってメモ用紙に使う人が絶えなかったそうだ。ヴァレリーの手記のエピソードはこんなお国柄から生まれた。
に、続きます!