伝説のチャンピオン

 元の映画でも「締めの場面」は短くあっさりしていたのだが、このゲームではさらに端折られている。映画におけるアーキテクトやオラクル、セラフの会話場面はまるで映らない。
 結局用いられたのは、狂喜するキッド等の極わずかな映像と日の出の風景のみ。そしてエンドクレジット。

 問題はBGMだ。「マトリックス」や「リローデッド」のひどく攻撃的な曲とは違う、ましてや「レボリューションズ」で使われた経のような曲等とは全く違う、勇壮なものだった。
 流れ出したのはクイーンの曲「伝説のチャンピオン」だったのだ。

 特に日本では村山政権を皮肉った戯れ歌の元歌にされたり、何だか可笑しいもののように思われている節もあるこの曲。「何故クイーン?!」と訝られた方も多かろうと思われる。

 文句を言う前に歌詞の意味を考えてみたまえ。

 一番では無実の罪に問われながらも頑張って来たという事が歌われている。これが、ザイオンの民(所謂政治犯である)が勝利を祝う場面およびマトリックス内日の出の場面に鳴らされている。
 何より、きわどい作品を作って叩かれた監督兄弟以下映画関係者達の声でもあろう。
 エンドクレジットのバックに流れる二番では、皆さんのおかげで富と名声を得た事に感謝する、しかし俺たちの活動は安易な物ではなく全世界に向けた挑戦なんだといった具合に大アーティストからファンへのメッセージの体を為す。
 素晴らしい選択だとわたしは感じている。

 長いエンドクレジットは「伝説のチャンピオン」が終わった後も続き、バックにはラップの曲がかかる。曲の題を「My Long Walk to Jail」という。「私が牢獄へ向かう長い道」?!!
 何ということか。続けて聞くと、「我々は挑戦し続け、いずれはこの事で捕まるかもしれない」という意味に取れる。
 ハッピーエンド風に締めたこのゲームにぴったりとは思えない。首を捻る人もいたかもしれない。しかし、2曲が物語中だけの事ではなく製作者の事を歌っているとしたら、どうか……?

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