着けてなかったのね
リンクが、恋人ジーからもらったお守りのネックレス。
それは、戦いの最中にはリンクの手に巻かれていた。リンクはオペレーターを務めており、指先だけ使う仕事なので、手に
お守りをつけたほうがゲンが良かったのだろう。そう思う。
そしてハンマー号がドックになんとか到着し、リンクも船を下りてジーと再会する。そのときは、見栄えがいいようにネックレスを首に巻きなおしていた(笑)。
ジー「着けてたのね」
リンク「当たり前だろ、外すもんか」
正確には一度首から取ったのを巻きなおしているのだが、瑣末な事だ。リンクが常にあのお守りを使っていた事に変わりはない。
そこまでは判る。
問題はその後、<ネオの偉業>によってセンチネルが引き上げ、戦争の終わりを皆で喜ぶシーンだ。
リンクの首にかかっていた筈のネックレスが、またしても右手に持たれている………。
なんだ、これは。
マトシリーズはあくまで映画であり、小さな粗はいくつもある。
しかし、しかしだ。愛情と迷信とが込められたこのネックレスは、機械には分からない、人間ならではのよきものの象徴と言えよう。
これはわたし一人の妄想とは言えまい。このネックレスは「リローデッド」から登場し、「レボルーソン」で強調されていた。
ところが、なぜか最後の最後で突然扱いがいい加減に…。
これは…センチネルが引き上げるシーン周辺は、大急ぎで撮られたのだろうか。
あるいはネックレスを首に巻きなおすシーンが、映画の長さを稼ぐために後付されたものか。
結論から先に言うと、「センチネルが引き上げるシーン周辺」が臭いとわたしは思った。
戦争が終わったと聞き一瞬夢ではなかろうかと疑うシーン、そして喜ぶシーンなのだが、全体がやたら短い上
感情表現が大変地味で、包囲攻撃シーンや前作におけるダンスシーンに見られた感情の高ぶりやボディアクションや汗臭さが全く無い。
彼らがあのときの彼らと同一人物なら、戦争が終わったと聞いてもう少しどよめくだろう。そして確信できたら、もっと
イカレたように喜び、踊り狂うだろう。ただ拳を突き上げてワーというだけと言うのは、打ち切り漫画の終わり方である。
確認のためリンクのカットをもう一度見ていて、「ヒュ〜ッ!」と叫ぶ様子で不覚にも噴き出してしまった。どことなく本気に見えない。
三部作を締めくくるシーンに、これはどうなのか。
これは…かなり大慌てで、制限された状況で撮られたと考えられる。そしてそれは、何らかの外圧で大慌てでラストの内容を変えるはめに
なってしまったからだとわたしは見る。
スーパー大乱闘他戦闘シーンで予算と時間が無くなったという所謂ただの企画ミス説も考えられようが、
これまでの2作品を見るに、マトスタッフが三部作のラストというものを撮る余力を残し忘れるような大ドジとは考えられない…。
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