未整理事項

アンダーソン君達が第１部以来抱いていた不満とは。

　公式サイトにあった「哲学」コーナーで、大勢の哲学者がマトリックスについて考えたことを寄稿していた。「仮装現実の中に住むことの何がそんなに悪いのか」については、考え過ぎでわからなくなりかけているようにも読めた。 結論らしい結論を出していた先生の場合、それは大方の予想通り、哲学的な話ではなく政治的な話に着地していた。

　頭歯利、「新しいことを起こす可能性の欠如」。 仮装空間がずっと２０世紀にセットされていると言うことは、個々の人はそれなりに快楽を得られるとしてもでかいこと…変革…は起こし得ないから。早い話が奴隷だから。

　……与えられた条件がどうにも変えようの無いものなら、酷い条件でもそれを受け入れ満足さえしてしまうのが真のパラダイム変換だ、「運命愛」というものだ、と一部の学派の人のような事を言い出すと闘う動機は成り立たなくなる。 ■